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高知地方裁判所 昭和48年(わ)586号 判決

本店所在地

高知市大川筋一丁目六番二八号

国際住宅商事有限会社

(右代表者 西岡秀正)

本籍

高知市大川筋一三番地

住居

同市三園町一三四番地

右会社代表取締役

西岡秀正

昭和一三年一月一〇日生

右両名に対する法人税法違反各被告事件について、当裁判所は検察官阿部満出席のうえ審理をとげ、つぎのとおり判決する。

主文

被告会社を罰金八〇万円に、被告人西岡秀正を罰金一〇〇万円に各処する。

被告人西岡秀正において右の罰金を完納できないときは、金五、〇〇〇円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は高知市大川筋一丁目六番二八号に本店をおき、不動産の売買、仲介を目的とする法人であり、被告人西岡秀正は被告会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、同被告人は、被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、昭和四四年一〇月一日から昭和四五年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額は一一、三七二、八三七円で、これに対する法人税額は三、九一六、七〇〇円であるにもかかわらず、公表経理上、売上の一部を除外し、これを架空名義の預金とするなどの不正手段によつて所得の一部を秘匿したうえ、昭和四五年一一月三〇日、所轄高知税務署において、同署長に対し、右事業年度における所得金額は三、一四二、四五六円でこれに対する法人税額は八九二、一〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、右事業年度の法人税三、〇二四、六〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

略語例

四八、三、一付 昭和四八年三月一日付

一、登記官作成の被告会社登記簿謄本

一、左記の者の各作成にかかる各上申書

半田智子 外一名(四八、三、一付)

西岡紀美子 外一名(四八、三、二八付)

半田智子 外三名(四八、三、二九付)

小角隆清 外一名(四八、三、三一付)

滝石和子 外一名(四八、四、二付)

池田遊亀 外一名(四八、三、一五付)

一、左記の者の各作成にかかる各証明書

愛媛相互銀行高知支店長 森忠

四国銀行江ノ口支店長 大場和雄

協和銀行高知支店長 小西英三

高知大丸 尾崎治郎 外一名

一、収税官史大蔵事務官永木義夫作成の所得税等納付調査書(四八、四、一四付)

一、同浜喜久夫作成の個人収支調査表(四八、四、二〇付)

一、同長田金夫作成の期末たな卸実際金額調査書(四八、四、二五付)

一、同浜喜久夫作成の自四四、一〇、一 至四五、二、六間除外収支の使途明細表(四八、四、二七付)

一、同長田金夫作成の除外売上金額および仲介料の調査書(四八、五、一付)

一、同人作成にかかる国際不動産(有)に帰属する期間の売上除外額明細表(四八、五、二付)

一、同浜喜久夫作成にかかる国際住宅商事有限会社の簿外利益調査表(四八、五、二二付)

一、左記の者に対する各収税官史大蔵事務官の各質問てん末書

西岡紀美子(五通)

藤岡鈴代

小川清子(二通)

金子律子

滝石和子

山北美代子(二通)

半田智子(二通)

小角隆清(三通)

西岡秋(二通)

松岡滝水(二通)

佐々木良材

小笠原嘉豊

徳弘豊(二通)

田岡

小川肆郎

岩本健二

宮田茂生

被告人 西岡秀正(十二通)

一、左記の者の各検察官に対する各供述調書

西岡紀美子

藤岡鈴代

小川清子

金子律子

山北美代子

半田智子

小角隆清

被告人 西岡秀正(二通)

被告会社代表者及び被告人西岡秀正の当公判廷における供述

一、押収にかかる左記証拠物たる書類

日本企業コンサルタントの売上帳一冊(昭和四九年押第一七号の一)

伝票綴(五冊綴分)(同号の二)

給料支払明細書(十一冊綴分)(同号の三)

右 同(十九冊綴分)(同号の四)

領収証綴(昭和四四年一〇月~昭和四五年九月)十二冊(同号の五)

伝票綴(八冊綴分)(同号の六)

収支メモ帳二冊(同号の七)

封入開店祝金と表記したメモ一袋(同号の八)

封入小笠原鉄工所の領収証(三通)一袋(同号の九)

封入税金関係書類一袋(同号の一〇)

社長専用の明細書一冊(同号の一一)

分譲地別計算書一冊(同号の一二)

共同出資分綴一綴(同号の一三)

元帳(自四四年一〇月至四五年九月)一冊(同号の一四)

元帳(自四五年一〇月至四六年九月)一冊(同号の一五)

金銭出納帳四冊(同号の一六)

法人税決議書類綴一綴(同号の一七)

(法令の適用)

判示所為

被告人西岡秀正につき法人税法一五九条一項

被告会社につき法人税法一六四条一項、一五九条一項

被告人西岡につき所定刑中罰金刑を選択

被告人西岡につき刑法一八条

(裁判官 相瑞一雄)

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